【任天堂の好決算】ゲーム『ゼルダの伝説』、映画『マリオ』が好調。しかし“次”が見えない!?

2024年8月3日、任天堂の2024年3月期の第1四半期決算が発表されました。

任天堂の2024年3月期・第1四半期決算の発表時刻は8月3日の15時30分でした。

 

引用元:任天株式会社「2024年3⽉期第1四半期 決算説明資料」
https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2023/230803_2.pdf

任天堂の2024年3月期・第1四半期決算と通期予想

任天堂の2024年3月期決算の第1四半期決算の集計期間は、2023年4月1日から6月30日までとなります。

 

《任天堂の想定為替レート》
・1米ドル=130円
・1ユーロ=135円

《今期の平均為替レート》
・1米ドル=137円34銭
・1ユーロ=149円48銭

任天堂が想定していた為替レートより、米ドル、ユーロともに円安となりました。

 

2024年3月期・第1四半期決算

売上高…4613億4100万円
(前年同期比+50.0%

営業利益…1854億4100万円
(前年同期比+82.4%

経常利益…2537億6600万円
(前年同期比+52.2%

純利益…1810億1900万円
(前年同期比-+52.1%

 

販売好調の「ニンテンドースイッチ」と『ゼルダの伝説』

ゲーム専⽤機ビジネスの売上⾼は、前年同期⽐44.6%増の4,274億円となりました。

Nintendo Switchのハードウェアおよびソフトウェアの販売数量が前年同期を上回っ
たことに加え、販売単価の⾼いNintendo Switch(有機ELモデル)の販売割合が⾼く
なったことが主な要因です。

また、為替レートが円安に推移した影響もありました。

ゲーム機「ニンテンドースイッチ」シリーズの販売台数が、前年同期比13.9%増の391万台であり、ソフトウェアの販売本数は、前年同期比26.1%増の5221万本となったとのことです。

『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が1851万本を売り上げ、ハードウェア及びソフトウェアの売り上げに貢献したとのこと。

 

映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』の貢献度

モバイル・IP関連収⼊等については、ロイヤリティ収⼊が前年同期⽐で増加したことに加え、『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』に関連する映像コンテンツ収⼊を計上したことで、全体としては前年同期⽐190.1%増の318億円となりました。

映画『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』がIP関連収入に大きく貢献しました。

 

全世界の興⾏収⼊は、7⽉26⽇時点で累計13億4,900万ドルに達し、ゲーム原作の映画として歴代1位、アニメーション映画として歴代2位を記録しています。

(興行収入)13億4900万米ドル×
(為替レート)137円=
(円換算)1848億1300円となります。

第1四半期決算の集計期間は6月30日までなので断定できませんが、個人的には「映画『マリオ』に関する任天堂に取り分は、興行収入の15%くらいなのではないか?」と考えております。

 

今回の映画『マリオ』は、ユニバーサル・ピクチャーズと任天堂が共同出資し、任天堂と米国のアニメ制作会社が共同制作した作品です。映画の配給はユニバーサル・ピクチャーズが行っています。

任天堂の出資比率は分かりませんが、出資比率が高ければ、その分利益の配分率も高くなるものです。そのため「映画『マリオ』に対する任天堂の出資比率は15%前後だったのではないか?」と推測しています。

 

また映画『マリオ』は【マリオブラザーズ】というコンテンツに興味を持ってもらうきっかけとなった、と決算資料に記載されています。

映画で利益を上げることも大事ですが、映画を通して【任天堂】【マリオブラザーズ】という会社や作品に対して、興味や好意を抱いてもらうことができたことは素晴らしいことだと思います。

 

2024年3月期・通期予想

売上高…1兆4500億円
(前年同期比-9.5%

営業利益…4500億円
(前年同期比-10.8%

経常利益…4800億円
(前年同期比-20.1%

純利益…3400億円
(前年同期比-21.4%

2024年3⽉期の連結業績予想については、2023年5⽉9⽇に公表いたしました業績予想から変更はありません。

通期の純利益予想3400億円に対して、第1四半期決算での純利益は1810億円でした。

1年の目標の半分を3ヶ月で達成したのに、業績予想を据え置いたことには驚きました。

次の決算、中間決算の数字が良かった時に、業績予想の上方修正を発表するのかな?

 

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第1四半期決算発表後の任天堂の株価

決算発表前、8月3日の任天堂の株価は1株6357円(終値)でしたが、翌日8月4日の始値は1株6230で、終値は6172円でした。

この記事を執筆している8月8日の任天堂の株価は6159円(終値)です。

今年1月ころの任天堂の株価は5500円前後で、徐々に売られて4月には5000円前後になりました。

その後は右肩上がりに上昇し、6月29日には年初来高値の6640円をつけましたが、現在はやや売り圧力が優勢な状況です。

 

今回、任天堂が発表した第1四半期決算は、間違いなく“超好調決算”だったと言えますが、ゲーム『ゼルダの伝説』と映画『マリオ』の好調はすでに織り込み済みだったと考えるのが妥当だと考えています。

 

投資家は「ニンテンドースイッチ」の後継機種の発表または大きな株主還元を期待しているのだと思います。

2017年3月に発売された「ニンテンドースイッチ」は今年で7年目の機種となります。

「ゲーム機の買い替えサイクルは7年前後」という歴史を見ると、任天堂はそろそろ「ニンテンドースイッチ」の後継機種について少しずつ情報を出していく必要があるのかもしれない、と思います。

 

第1四半期決算では配当金の増配についてアナウンスがありませんでした。

第1四半期ほどでなくても第2四半期の営業も好調なら、決算中間決算で増配のアナウンスがあるかもしれません。

 

また任天堂は、2022年10月に「1対10」の株式分割を行いました。

株式分割から約1年。ここで「自社株買い」が発表されると大きな買い材料になりますね。

 

いずれにしても今の任天堂は、ゲームユーザーや投資家に対して、“明確な次”を示さなればいけない状況なのだと思います。

世界に誇れる任天堂には、今後も期待したいところです。