双日の第1四半期決算発表でショックを受け、三井物産の同決算発表で落ち着いた⁉
2023年8月1日、総合商社の双日と三井物産の2024年3月期の第一四半期(以下、第1Q)決算が公表されました。
両社の決算発表を受けて、前場は堅調に推移していた総合商社株が、後場では乱高下することになりました。
※投資を行う際には情報を調査・確認し、自らの自己責任で行ってください。
双日と三井物産の2024年3月期第1四半期決算内容
双日の第1Q決算の発表時間は後場開始直後の12時30分で、三井物産の第1Q決算の発表時間は13時30分でした。
双日の第1四半期決算
双日の2024年3月期の第1Q決算は以下のとおりです。
営業収益… 556,010(-10.1%)
税引前利益… 29,868(-50.7%)
当期利益… 22,140(-51.0%)
通期予想… 95,000(-14.6%)
※金額の単位は百万円。※()の数字は前年同期比。
アナリストによる税引前利益のコンセンサスは29,868(百万円)で、予想より17.5%低い水準となりました。
通期予想は据え置きの950億円。
第1Qの純利益は221億円だったので進捗率は約23%となります。
三井物産の第1四半期決算
三井物産の2024年3月期の第1Q決算は以下のとおりです。
営業収益… 3,149,131(-15.4%)
税引前利益… 311,814(-10.4%)
当期利益… 252,850(-8.1%)
通期予想… 880,000(-22.2%)
※金額の単位は百万円。※()の数字は前年同期比。
アナリストによる税引前利益のコンセンサスは354,600(百万円)で、予想より12.1%低い水準となりました。
通期予想は据え置きの8800億円。
第1Qの純利益は2528億円だったので進捗率は約28%となります。
双日の決算発表後、三井物産の決算発表後
双日、三井物産、両社とも減収減益の第1Q決算を発表したましたが、株価は明暗を分ける形になりました。
後場の始値と後場の安値
後場の始値と後場の安値は以下のとおりです。
※後場の始値→後場の安値
※()内は安値を付けた時間
◆三菱商事 …7,369円→7,170円(13:30)
◆三井物産 …5,631円→5,371円(13:30)
◆伊藤忠商事…5,793円→5,683円(13:30)
◆住友商事 …3,085円→3,023円(13:30)
◆丸紅 …2,545円→2,457円(13:30)
◆豊田通商 …8,610円→8,493円(13:30)
◆双日 …3,400円→3,138円(13:32)
7月28日に第1Qの好決算を公表していた豊田通商まで、後場に株価が急落してしまいました。
アルゴリズムの関係なのでしょうが、後場に安値を付けた時間が7社とも13:30頃という点には驚きです。
総合商社株の終値(8月1日)
各商社の終値は以下のとおりです。
※()内は前日比
◆三菱商事 …7,309円(+41円)
◆三井物産 …5,669円(+128円)
◆伊藤忠商事…5,753円(+3円)
◆住友商事 …3,059円(+12円)
◆丸紅 …2,508円(-5.5円)
◆豊田通商 …8,625円(+330円)
◆双日 …3,166円(-209円)
終わってみると三井物産は前日比2.31増。
好決算を発表している豊田通商も3.98%増。
大幅な減収減益だった双日は6.19%減で、他は微増微減で取り引きを終えました。
私は、今回の商社株の株価乱高下については、以下のように考えています。
「双日の予想以上の“減収減益”決算を見て、嫌気がさした投資家が双日株を売る」
→
「双日の決算を見て、不安になった投資家が商社株を売る」
→
「三井物産も“減収減益”だったので、また売りが入る」
→
「三井物産の通期予想が据え置かれていたこと、進捗率も悪くないことに気づいた投資家が買い戻しを始めた」
→
「好決算の豊田通商、不安材料が薄れた三井物産が買われた」
→
「双日は通期予想を達成できるか不安なので買い戻しが限定的だった」
総合商社、これからの第1四半期決算発表日
8月3日に三菱商事と住友商事の決算発表が予定されており、8月4日には伊藤忠商事と丸紅の決算発表が控えております。
7月28日に決算発表を行った豊田通商は好決算で、本日8月1日に決算発表を行った双日と三井物産は減収減益でした。
三菱商事、三井物産、伊藤忠商事、住友商事、丸紅に関しては、“投資の神様”ことウォーレン・バフェット氏がその株式を大量に保有している事が判明してから、「日本版バフェット銘柄」と呼ばれるようになりました。
第1Q決算の発表が終わっていない総合商社がどのような数字を出してくるのか、気になるところです。
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